「愛知の要塞」名古屋鉄道・太田川駅探訪記
2023年度に名古屋鉄道・知立駅の完全高架化および周辺の立体高架化が完成することとなっており、愛知県内では「立体交差」「高架駅」が一つ注目すべき点となっています。
愛知県にはたくさんの高架駅が存在します。名古屋駅はもちろん、布袋駅や尾張一宮などがあります。
そのなかでも「要塞」と呼ばれ異彩を放つ駅が存在します。それが今回ご紹介する名古屋鉄道・常滑線(河和線)の太田川駅です。
“要塞”と呼ばれる所以
鉄道好きにおいてたびたび“要塞”と呼ばれる駅が存在します。
そもそも鉄道駅における”要塞”階層建の定義は「複数階層建の高架駅」のことを指します。
例えば、京急蒲田駅は2階が下りホーム、3階が上り列車の来る階、1階が改札と分かれています。
都心部のハブステーションは線路数の確保と省スペース化による都市開発の両立を要求されるので、要塞型になるケースが非常に多いです。
名鉄・知立駅の”要塞化”
その仲でも知立駅はかつて類を見ない超要塞駅になるのではないかと期待されています。
二層建の合計4面8線という脅威的な要塞っぷりを発揮すると言われています。
京急蒲田駅が2面6線(切り欠きホームがあるため線路が2本多い)であることを考えても非常に大きな駅になります。
知立駅がこれほど大きな要塞になる理由
知立駅には名鉄名古屋本線に加え三河線海線・山線の6方向から列車がやってきます。そのため、線路の数が膨大になります。
また、知立駅は元々普通列車の待避ができない運用上不便な駅でした。そのため、ダイヤを円滑に回すためにもホームの数が必要でした。
様々な理由が重なり、中部一の大要塞になろうとしています。
知立駅については今後もレポートしていきますので、ぜひ楽しみにしていてください!
中部の要塞のパイオニア”太田川駅”
太田川駅はそんな知立駅をはじめとする中部地方の要塞駅のパイオニア的存在として位置づけられています。
2011年12月に3階建の高架駅に生まれ変わりました。それまでは島式の2面4線の至って普通な駅でした。
高架化工事が行われた理由
一つ目は「開かずの踏切があった」ためです。太田川一号踏切は太田川駅の南にありましたが、常滑線と河和線の合流地点であることから1時間のうちほとんどが閉まっている非常に不便な踏切でした。
また、踏切が閉まり続けると痺れを切らして渡ってしまう歩行者もおり、事故のため大変危険な状況でした。
さらにこの駅特殊の事情として「河和線と常滑線の平面交差」がありました。路線同士が平面交差をしてしまうと駅周辺の電車の交通を全てストップさせてしまうため、ダイヤ上の制約が非常に大きくなってしまいます。
ですから、高架化工事は急務であったのです。
駅の構造
駅は3階建です。
- コンコース(改札・店舗など)
- 常滑線の上下と河和線の下り
- 河和線の上り(名古屋方面)
となっています。
写真と共に
それではここからは写真と共に太田川駅を紹介していきます。
外観
一階・改札など
2階・ホーム
3階・ホーム