大前駅(吾妻線)探訪記

群馬県の山奥、長野県に程近い嬬恋村に位置するローカル線の末端駅。そんな駅が多くの人に愛される理由を探りに行った。

嬬恋村とは?

群馬県の北西から長野県東部にかけて位置する嬬恋村は、草津と軽井沢の中間に位置する自然の豊富な街です。

高地であることから夏も冷涼であり、高原野菜の生産が盛んです。高原キャベツである「嬬恋キャベツ」がよく知られています。

他にも周辺地域同様に温泉が存在し、万座温泉や鹿沢温泉がよく知られています。

筆者(大福)
筆者(大福)

夏は涼しく、冬は東京では見られない風景が見られるのがこの村の魅力ですね!

吾妻線を知ろう

大前駅を知る前に、「なぜそこに駅があるのか?」「この路線の終点がなぜここなのか?」を知っておいた方が面白いと思いますので、まずは吾妻線について軽く説明をしていきます。

JR東日本吾妻線は群馬県渋川市の渋川駅から群馬県吾妻郡嬬恋村までを結ぶ、全長55.3kmの路線です。

途中には中之条駅や川原湯温泉駅、長野原草津口駅など温泉地や八ッ場ダムなどの観光地に近い駅が数多くあり、名湯へのアクセス路線となっています。

この路線の歴史は深く、終戦した1945年に六合村(現:中之条町)からの鉄鉱石を運ぶために開業しました。

その後は、長野県豊野市の信越本線豊野駅までの延伸が計画され、そのステップとして大前駅まで延伸されました。しかし、大前駅から先は財政的な問題や地盤の関係から延伸計画が断念されたため、今の大前駅までで止まっている経緯があります。

大前駅はどんな駅?

大前駅はそんな吾妻線の末端駅として、群馬県最西端の駅として位置しています。

近くには嬬恋村役場や農業環境改善センターなど街の行政に関わる施設が点在している他、飲食店が数軒林立していますが、基本的に何もないような駅です。駅から数分歩かなければいけません。

1面単線の棒線駅でほとんどの列車が一つ手前の万座・鹿沢口駅にて折り返していく、なんともなローカル線の様相を呈しています。

1日の平均利用客数は50人前後となっており、群馬県内でも特に閑散としている駅といえます。

写真で大前駅を見てみよう

それでは写真にて大前駅を見てみましょう。駅名標は至ってシンプルなJR東日本らしい駅名標です。

ホームは一面一線となっています。吾妻線のターミナルはとても貧相なものです。しかしながら乗客の数ややってくる列車の数を考えれば合理的であることは間違えありません。

しかしながら大前駅はホームから少し先に線路が伸びています。延伸計画の名残りというわけではなく、これは特急草津号などで利用される651系などの車両を退避させるための線路だそうです。現在使用されているといった情報は耳にしませんが、この駅もただの折り返すための駅でなく役割を持っていること、必要性を実感させる一幕です。

駅舎は至ってシンプルなプレハブのような作りとなっています。しかしながら、大前駅の利用者数を鑑みれば妥当な大きさであり、必要十分な機能が備わっていると思います。

中には待合用の椅子の他に駅ノート「大前ノート」が設置をされていました。今回私も記入をさせていただきましたが、ノートの中を少し拝見するに全国各地からこの地に訪れている方がいるようで、狭く深く愛されているような駅であると見受けられました。

大前駅目の前には大前踏切が設置をされています。設備自体は立派な第一種踏切ですが、幅が狭く交換には手間がかかりそうに感じました。

ここから街へつながる橋には雰囲気があり、大前らしさを十分に表しているように感じます。(大前らしさとは)

さいごに

いかがでしたでしょうか?ぜひ訪れてみてください。

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