人生を知る旅に出よう〜新卒5ヶ月で退職した人間の再起物語〜
「去り際の時に何が持ってけるの」
藤井風さんの“旅路”という曲のワンフレーズです。
人間誰しも最後の時に持てるもの、拠り所はないのです。人生という長い旅路の終わり際、あなたならどう終わるのか。自分自身の生き方を問われているような歌だとおもいます。
そんな歌のように人生・生き方について真剣に考えた3ヶ月が私にはありました。
今回は「新卒入社した会社を辞め、3ヶ月間人生について考える旅に出た」話をしていこうとおもいます。
8/31 退職と旅路の始まり
vs鬼の連絡(退職・旅の始まり)
私の入社した会社は体育会系の蔓延る、理不尽の塊のような会社でした。我慢して働いていた私ですが、いつか我慢の限界値は超えてしまうもの。「プツン」と引き留めていた糸が切れたと同時に、退職代行を使用して退職しようと決意しました。
昨晩、退職代行に連絡をし支払いなどの段取りを済ませておいたので、当日の朝は特に何もしませんでした。ただ、私は旅に出ることを決めていたので、仕事に行くふりをして3ヶ月間の長い旅に出ました。
旅路に出た途中の携帯電話はそれはもう凄まじいものでした。家族・職場・友人など様々な人たちからの連絡が止みませんでした。ただ、退職代行を使用して退職する場合、電話に出るなど連絡に対してレスポンスを返すことは御法度なのです。それを心得ていた私は携帯の電源を切り、反対に車のエンジンをかけ長旅に出ることにしました。
死に場所を探す
まず初めに目指したのは福井県の東尋坊です。東尋坊といえば「自殺の名所」と呼ばれるほど崖の急峻なまさに名所。目的地までの所要時間はおよそ5時間程度。
偶然福井県には複数友人がいるため、その友人たちと久々に顔を合わせたい。その気持ちも勿論ありましたが、やはり一番は「死に場所を探しに行く」そんな気持ちでした。
車での5時間ずっと劣等感や不安感に苛まれていました。他の友人や恨んでいた会社の上司・先輩は今頃自分がいなくても変わらずに生活を続けている、なのに今の自分はどうなのか。
考えても変わらないのに、ひたすらに考え続けて勝手に苦しくなっていた自分がいます。
「こんな状況なら死んでも変わらないのではないか」そう思いながら福井県に向かいました。まず友人と会い、久しぶりの再会をします。「馬鹿だなぁ」と笑いつつも、「いつまでも泊まっていっていいから」そう言ってくれる彼のために、私はまだここで死ぬことはできないと踏ん張ることができた気がします。
その後、芦原温泉・ソースカツ丼の名店“ヨーロッパ軒”・銭湯に連れて行ってもらい、疲労で限界だった自分の心は幾許か洗われたような気がしました。「まだ早い」「自分にはまだやれることがある」そう希望を持たせてくれた2日間でした。